今日は「色」のお話
子供の時から水色が好きでした、というのはさておき、「アンの部屋」で使う色を決める時は、「色のトーンを揃える」ということをします。例えばTシャツの色を決める時など、カラーチップを何十色も並べて、それぞれが相性がよく、全体でひとつのハーモニーが出来上がるまで、ああでもないこうでもないと組み替えて行くのです。カラーチップは、今までに染めた生地やニットの切れ端、ちょっと目に止まった新鮮で気に入った色の布などを、日頃から集めておきます。
彩度や明度や色相って、美術の授業で習ったことがありますよね。
赤系・ピンク系・生成・ブルー系・墨黒の5色展開で、と決めるとそれが色相になるわけです。明度は淡い色・濃い色みたいなもの。そしていちばん私が気にするのが彩度です。
パステルカラーが基本の「アンの部屋」ですが、ちょっときれいめでとか、土っぽい感じとか、透明感がある感じとか、素材によって季節によって、微妙にやりたいものが変化していきます。ある程度イメージはあるのですが、カラーチップを組み替えていくうちに、やりたいものが決まっていきます。何人か企画スタッフがいるけど、これだ!と思う時は、全員が納得して決まります。
そこで「ビーカー依頼」というものをします。実際の素材を使って、染色のプロが染めの見本を作ります。大抵は同じ色に対して2.3色のサンプルが出来てきます。濃淡か、微妙に配合が違うもの。それを日光の下で見比べるのですが、あまりにも色の変化が微妙で、どう違うのかわからないこともあったりして…(汗)。そのビーカーを見て、20%アップ(濃く)とか30%ダウン(薄く)とか、ちょっと赤みを減らして、などの指示を加えます。
製品はそのビーカーと寸分違わず上がってくるのだから、プロの腕はたいしたもんです。定番のプラムシリーズなどは、そこからさらに検討を重ねて、人気のない色はすこしトーンを変えてみたりします。
少し参考になったかな。「アンの部屋」に行ったときは、全体のハーモニーがどんな感じになっているか、ちょっと気にして見てみてくださいね。